受注率が上がらない4つの要因

 

理由①:受注確度の見極めができていない
受注確度の見極めは非常に重要ですが、担当者の裁量に任せている企業が多いです。
案件がどのステージに位置しているのかを管理していない為、「商談中」という大きなくくりでしかマネージャーは把握できないのです。
その結果、「どの案件にどのようなアクションを起こすことで受注に近づけるのか?」を営業会議でマネージャーが営業スタッフに指示できていないのです。
その為、営業マンはいつものアクションにとどまるので、失注や受注時期が後にズレていくという結果になります。
いずれにしても、マネージャーと営業スタッフそしてインサイドセールスが同一の基準で受注確度を確認できる仕組みが必要になります。


理由②:受注と失注の要因分析ができていない
私が営業マンのころ、失注するとマネージャーから質問攻めにあいました。
「なぜ、うちの商品が採用されなかったのか?」をお客様に聞くことは、営業活動の改善と商品の改良に役に立つからです。
つまり、お客様の「真意を聞くチャンス」なのです。
顧客の真意を知る
不採用の理由は様々です。
例えば、
要望している機能が不足しているから
機能はいいけど高すぎる
機能は豊富だけど使いきれない機能が多い
製品を置き換えるメリットを感じることができなかった
トップダウンで決まった
競合製品の方が、使いやすそうだったから
といった感じです。
一見、理由を聞けているようですが聞けていません。
例えば、「要望している機能が不足している」は、
どんな機能が必要だったのか?
実は別の機能や使い方で代用できるのではないか?
オプションを使えば要望をみたせるのではないか?
と言ったことを聞き出す必要があるのです。
ルート営業やリピート受注の場合は上記の聞き込みがそれほど行われていません。
数をこなすことの方が重要だったので、失注案件より次の案件に対応することを優先していました。
「解決型+情報提供型営業」でなければ、別の企業とのコンペに直ぐに巻き込まれます。
これからの営業は、「知恵」を売る時代なのです。
営業マンの知恵
その為には、失注した要因分析を行い提案時からお客様の要望をしっかりつぶしていく(要件を満たす製品であることを認知してもらう)ことが重要になります。
また、失注の分析結果は、営業マンだけではなく、フィールドセールスやマーケターにも共有すべきです。
なぜなら、失注時の失敗を踏まえたトークスクリプトやストロングポイントをキャンペーンメール及びランディングページに盛り込むことができるからです。
一定の商品知識を持った顧客に育成できれば、営業マンは効率的に商談を進めることできます。
その結果、失注率を落とす効果にもつながります。


理由③:顧客の課題を理解していない
お客様の課題を初期段階で聞き出せていないと提案内容が方向違いになるので非常に危険です。
例えば、「作業効率を上げたい」と大雑把に要望を受けた時などです。
現在利用の製品でどこの部分が作業効率が悪いのか?
当時なぜその製品を採用したのか?
どうなると作業効率が上がったと感じるのか?
を聞き出せていないと、「自分たちの商品は作業効率が上がる」と思い込んでお客様に説明します。
お客様もお客様なりの解釈で説明を受ける。
この状態が一番怖いです。
提案内容に課題解決が具体的に記載していないと、お客様の「そんな理解ではない」と後で発覚したりします。
提案書にも「書いてありますが、、、」と言ったところで、「その意味で理解していない!」とお客様に言われると説明不足という展開になります、、、。
このパターンは、IT業界で特に多いです、、、。
商談が中盤になり競合製品との一騎打ちの時にこの事実が分かると結構痛いです。
「他にも、要望と機能にギャップがあるのでは?」と担当者を疑心暗鬼にさせてしまいます。
要件と機能にギャップあり
こうなると、挽回が大変です。
その為、私は「できないこと」をはっきり伝えるようにしています。
それは、お客様への誠意だと思いますし、伝えたことでお客様からの質問を逆に頂き、その結果顧客の課題をより具体的に聞き出すことができるからです。
また、できないことをはっきり伝える為に重要なのは、「失注の要因分析」です。
「失注の要因分析がで来ていない」で説明しましたが、お客様の「真意」を聞くことができるので、それを次の提案に活かすのです。
その繰り返しにより、お客様のニーズや要望を先回りしてイメージできるので「この要望(要件)には応えることはできません。但しこの方法なら可能です」とはっきり伝えることができるのです。
とは言っても簡単ではないです。
「NOと言えない日本人」って昔フレーズがありましたが、「出来ない事」を「できない」というのは日本人には苦手なのかもしれません、、、。
話を戻しますが、「失注の要因分析」は、結果、提案力の「質」を上げることになります。
また、顧客の課題を具体的にヒアリングできたら、インサイドセールスやマーケターに共有すべきです。
なぜなら、課題解決を共有することで、具体的なキーコピーを付けたキャンペーンメールやトークスクリプトが出来上がり、見顧客の「育成」につながるからです。


理由④:競合に勝てる提案内容になっていない
「勝てる提案内容」にするには担当者への確認作業が重要です。
具体的には
顧客の課題
予算感
課題の中の優先順位
決裁者
製品利用者の要望
です。
この中で、私が一番注力しているのは「製品利用者の要望」です。
担当者は関係各所の意見を取り入れて製品選定しますが、担当者が決裁者に相談した際に、よくある話が「現場の意見はどうなの?」という展開です。
製品導入後に「使いずらい」と現場から意見が出ると「誰がこの製品にした!」とクレームが出ます。
その時に決裁者は保険をかける意味でも現場に一度使わせて現場も承諾したという既成事実を作ります。
このこと自体は問題ありませんし、そうすべきだと思います。
問題なのは、初期段階から提案内容に現場の意見が含まれていないと提案内容が振り出しに戻ったりします。
「このひと月の苦労は、、、、」と営業マンは落胆します。
提案書の作成に協力してくれた技術者も「え~今頃それ言う?」と営業マンはダブルパンチを食らいます、、、。
提案資料作成時には、エンジニアとの情報共有が重要となりこの部分は共有し且つエビデンスを残す仕組みが必要になります。
つまり、勝てる提案書はお客様への念入りな聞き込みとエンジン等との情報共有及び記録がポイントになります。