受注率を上げる7つの方法!

 

冒頭では、「受注率」の計算式と営業マン1人が商談を背負うものではないことを説明しました。
その理由は、受注率を上げるにはマーケターやインサイドセールスとの連携が必要だからです。
その為、最近では、受注率だけではなく、CACという指標も重要視されるようになりました。
CAC(Customer Acquisition Cost)は、顧客獲得コストと呼ばれます。
今後は、営業マンの活動によるKPI(受注率等)だけではなく、受注に関わった費用の全てを受注件数で割ったCACが重要な指標になります。
顧客獲得コストの計算式
計算式を説明した理由は、受注率を向上させるには、「マーケター」「インサイドセールス」「フィールドセールス(営業マン)」の3者の稼働全てが受注に影響を受けることを理解していただきたいからです。
受注率と顧客獲得コスト
以降では、受注率を向上させる7つの方法を説明します。
顧客の対応履歴を見える化させる
「マーケター」「インサイドセールス」「フィールドセールス(営業マン)」だけではなく、エンジニア及びフィールドサポート等お客様に関わる関係者は全て記録を残し共有できる状態にすべきです。
しかし、口で言うほどこれが簡単ではありません。
なぜなら、記録をする負担とそれを通知する作業は想像以上に「めんどくさい」のです。
日報のようにルーチン化されている業務は諦めて行うので記録が残るのですが、その情報は正直営業マン以外にはそれほど興味がありません。
営業マンは登録が面倒くさい
その為、私個人としては「The 日報」といったフォーマットにこだわらず、営業マンが備忘録のように気軽に記録できる方が若い営業マンには定着するのだと思います。
それも、スマホで作業を完結させます。
記録した情報を関係者にSlackのようなツールで共有できたら今までよりは数段情報が蓄積指されるはずです。
アプローチの優先度順位を決める
よく聞く優先順位は「案件の確度」です。
パーセントだったり、「AヨミBヨミ」と言った定義を定めて優先順位付けを行っています。
優先順位の定義を決めるには3つの切り口があります。
時期
いつまでに導入する予定なのか
予算
どの程度の予算を計画しているのか
ニーズ
必用としている機能等は明確になっているのか
この3項目は、昔からあるマーケティング用語の「BANT」から「A:Authority(決裁権)」を外した項目です。
案件の優先順位
例えば、ニーズが同じで予算のあるB社と予算は少ないが導入時期が明確に決まっているA社の場合です。
皆様はどちらが優先順位の高い案件だと思いますか?。
一概には言えませんが、私ならA社を優先します。
なぜなら、時期が決まっているからです。
そもそも予算と製品の価格にギャップがありすぎると話にならないですが、ニーズにマッチしていて費用に見合うなら、企業は追加予算を付けます。
その為、A社の商談に集中して予算でギャップが出たら、ディスカウントで歩み寄れる金額を交渉します。
それでもだめなら、優先順位の低い機能を落とすといった工夫を考えます。
今回はニーズレベルが同じという前提でしたが、もしA社のニーズが低ければ、私はB社を優先します。
ニーズが低いと急がないので、来期に回そうという結果になりがちです。
その為、ニーズがあり時期が明確なら、その見込客は必ず受注するという気持ちで準備します。
このように項目毎に重みづけを設け、客観的にどちらが優先順位が高いかを明確にすることで受注率を上げることができます。
また、忘れてはいけないのは、マーケティングインサイドセールスの意見です。
利益はでなくても有望な顧客の場合、利益はでなくても「お客様の声に掲載させてください」と条件を付けて値引きを行うという判断もあると思います。
その場合は、マーケターはランディングページに掲載できるので見込客のナーチャリングに貢献できます。
インサイドセールスに関しても実績を聞かれた場合に公表できる企業がいることは強味になります。
このように、商談は営業マン1人ではなく、連携した中で優先順位を決めて進めていくことも重要なのです。
マーケターとインサイトセールスとフィールドセールスの連携
案件確度ごとに適切なアプローチを行う
案件確度毎にアプローチを変えることは重要です。
なぜなら、1日の稼働時間は8時間しかないからです。
「分かってるわ~!」と思われますが重要です。
パソコンを販売するグローバル企業のデル社の創業者、「マイケル デル」の名言があります。
「することを決めることは簡単だ。難しいのは、しないことを決めることだ」
これは「案件確度ごとに適切なアプローチを行う」ことの重要性を表していると思います。
日本人は、真面目なので「手を抜いている」と思われたくないので頑張りますが、それは違うのです。
1日の稼働時間は8時間しかないので、線引きをしなければ営業マンとしてのパフォーマンスが出ないのです。
例えば、導入時期が決まっていない案件は、情報収集が目的の場合が多いです。
その為、積極的な営業より担当者が欲しいと思う情報を定期的に連絡するぐらいのアプローチで良いと思います。
そのような状態(ステータス)はまさにステップメールやキャンペーンメールによる育成フェーズで対応すべきです。
営業マンが商談で製品説明しても導入時期が遠い場合は、1度ナーチャリングフェーズに戻して育成期間にしておきます。
つまり、営業マンの手から1度離します。
その分営業マンは優先順位の高い商談に集中することが出来ます。
見込客のステータスにより担当者を変えることができるのが営業活動を役割分担することのメリットですね!。
重要な業務に集中できる環境作りを行う
営業マンは、予想以上に商談に集中できていないです。
その理由は様々なストレスを抱えているからです。
その中でも一番改善しやすいのは「事務処理系業務のストレス」です。
営業マンのストレス
事務処理系業務を減らすことで、商談準備に時間を割くことできます。
特にエンジニアとの連携が重要な場合は、お客様ニーズを実現する為の方法を担当部門にヒアリングできる時間は重要です。
少しかじった程度の知識でお客様に説明すると逆に期待を持たせ、後で技術的に実現できなかったという不幸を起こさない為にも、減らせるストレスは少しでも減らし、時間の余裕のある環境づくりが必要になります。
競合サービスとの差別化ポイントを明確にする
競合サービスとの差別化ポイントを明確にする場合には、STP分析を行うことをお勧めします。
STP分析とは、
S:セグメンテーション分析
T:ターゲティング
P:ポジショニング
です。
今章では、製品の差別化にフォーカスしたいと思いますので「P:ポジショニング」について説明します。

競合製品と比較した場合に差別化できる部分をリストアップし、製品市場でどのような位置になるのかを整理します。
比較させる項目としては、「価格」と「機能」です。
STP分析のポジショニング
単純ですが、頭の整理には役に立ちます。
また、強味を知れば勝負できる土俵で戦うこともできますし強味を磨いていくことも可能です。
「マーケター」「インサイドセールス」「フィールドセールス」で意見を出しあうことをお勧めします。
決裁者や決定権のある上位役職者と商談を行う
担当者が「メッセンジャー的な動きだな、、、、」と感じたことは営業マンなら1度はあるはずです。
このような場合は、決定権のある方に直接話をすれば早いのですが、そうも行きません。
今まで担当して頂いた方のメンツがあるので、ストレートに「上司と話がしたい」と伝えれば担当者は少しすねてしまうかもしれません。
私は過去にハッキリ伝えたところ、担当者の態度が変わってしまった経験があるので注意が必要です!。
このような場合、私が行っているのは、「特価値引きの説明をしたいから判断のできる方に直接を聞いていただき、迅速なご判断をしていただきたい」と担当者に伝えるようにしています。
特価値引きの話は上司に伝えないわけにはいかないですし、特価の期限があるので早いアクションをとらなければならないと心理が働きます。
もちろん、このパターンがいつもうまくいくわけではありませんが、状況を変えたい場合の1つの方法として検討してはどうでしょうか。
ITツールを導入する
受注率を上げるには、営業マンだけの努力ではなく、連携して受注率を上げていく必要あると冒頭で説明しました。
その為、受注率を上げる対策は、マーケターから既に始まっているのです。
しかし、「なぜ、この体制にしているのか?」の意味が現場に以外に浸透されていません。
なぜなら、顧客情報は一方通行だと思われているからです。
顧客情報は一方通行ではない
決して、そんなことはありません。インサイドセールスのトークスクリプトや営業マンがお客様から受けた課題等はマーケターの方も共有してキャンペーンメールやランディングページに反映していく必要があるのです。
その積み重ねにより同じニーズや商品知識を持った顧客を育成することができるのです。
類似の見込顧客であれば、営業マンは都度オリジナル提案をせずとも、同じ資料にプラスαするだけでお客様のニーズに沿った提案が可能になるのです。
もちろん、お客様の状況は様々なのでそんなに単純な話ではありませんが変則的な要望やそもそも機能がマッチしていない商談に営業マンが振り回されることは少なくなります。
その結果、商談準備に余裕ができ受注率が上がるのです。
そして、重要なのは更新される情報をいかに効率的に記録し、全員に通知する為の仕組み作りです。
顧客情報は滑らかに流す
その為には、ITツールの導入が必須です。
製品選定で重要なのは、部分的な業務の最適化ではなく、一連の流れとしてシステムが設計されているITツール選定が重要になってきます。