〜コロナによる市場変化〜

 

総務省統計局のデータによると、2020年の有効求人倍率は1.18と、5年前に比べて0.43減少しています。2008年のリーマンショックほどの世界金融危機までの低迷はないものの、実際に求人倍率が業界全体的に低迷しており、新型コロナウイルスの経済社会への影響は今後も続くことが予想されます。

なかでも外出自粛・移動制限の影響をダイレクトに受ける飲食業や衣服を取り扱う小売業、宿泊業の減少率は顕著です。いずれも新型コロナウイルスが経済社会に大きな影響を与えている現状。


2019年から2022年に雇用数が減少した産業ランキング

飲食店(約18万人減少)
製造業(約13万人減少)
建設業(約7万人減少)
宿泊(約6万人減少)
衣服小売り(約5万人減少)
道路旅客運送(約3万人減少)
洗濯・理美容・浴場(3約万人減少)
娯楽(約3万人減少)
道路貨物運送(約3万人減少)


〜コロナ禍での転職では、転職回数や年齢がどの程度影響する?〜

転職を検討しているものの、転職経験回数や年齢が理由で踏み出せずにいる方もいるかもしれません。実際のところ、コロナ禍での転職は、転職回数や年齢はどの程度影響するのでしょうか。


〜転職回数や年齢より「スキル」が重要〜

内閣府が平成30年1月に発表した「成長力強化に向けた課題と展望」の「第2章多様化する職業キャリアの現状と課題(第1節)」(※1)によれば、正社員男性の過半数は、転職回数1回以下となっています。男性は2回以上転職経験があると不利になる可能性があるようにも思われますが、今は長寿化により労働期間そのものが長期化し働き方も多様化しているため、転職回数の多さが不利に働くとは言えないかもしれません。
女性は出産などがきっかけで退職や転職するケースが多く、50代で離職経験がない女性はわずか7%です。近年では女性の社会進出も拡大しているため、転職回数よりもブランクの期間がポイントとなるでしょう。
現代では転職はむしろスタンダードになりつつあり、回数よりも転職理由やスキルが大切です。たとえば転職回数は少なくても「風土が合わなかった」「残業が多かった」など抽象的、ネガティブな理由ばかりだと「単なる現実逃避ではないのか」「採用してもすぐに辞めるのでは」と思われる可能性が高いです。採用を勝ち取るのは難しいかもしれません。
反対に何度転職を経験していても、「自分の〇〇というスキルを活かすため」「前職ではかなわなかった〇〇にチャレンジするため」など具体的かつポジティブな理由が多ければ「意欲的な人材」とむしろプラスの印象を与えることもあります。
転職は明確な目的を伴ったものか、これまでどんな業務を経験してきて、そのなかで何を得たのか、どのようなスキルがあり、自社にどのように貢献してくれるのか、企業が見ているのはそうした点です。つまり転職を重ねるごとにスキルアップしていれば、転職回数が多くても「有益な人材」と判断される可能性があります。

〜転職平均年齢は30歳前後が多い〜

総務省が令和3年2月16日に発出した「労働力調査によると、2020年に転職した人の平均年齢は30歳前後が多く、総数319人に対し25~34歳が73人で最多、次いで35歳~44歳が60人です。
とりわけ専門職系や建築系、医療・化学系、電気・機械系、IT・通信系の技術職など経験やスキルがものをいう仕事は転職平均年齢も高い傾向にあります。また、女性の転職年齢も徐々に上がってきています。
有能な人材は年代・転職回数にかかわらず引き手があるといえるでしょう。


市場を見極めて転職活動に挑もう!スキルや資格が有利に


現在転職を余儀なくされている方は、今後伸びる企業や今後もなくならない業界への転職がおすすめです。また、現在の仕事から転職をしてスキルアップを目指したいと思っている人も、これから成長する企業や業界を見極めて、しっかり納得のいく職に就きましょう。
スキルや資格を取得することで転職が有利にもなりますので、キャリアプランにあう資格を取得することもおすすめです。