不動産投資で脱サラするには?

脱サラのリスクと成功のポイントを解説

 

不動産投資で脱サラすることのメリット
不動産投資をしながら脱サラすると、不労所得を得ることができます。さらに、不動産投資の経費を計上することで節税しながら、資産を増やすことも可能です。ここでは不動産投資で脱サラするメリットを紹介します。

 

自由に時間を使える

脱サラすると自由な時間が使えるのは大きなメリットです。毎日、朝早く起きて満員電車や渋滞のストレスを感じなくてもいい生活は誰もが憧れます。

そして、投資物件に関する対応や会計などの不動産投資における業務は毎日発生しないので好きな時間に行う事ができます。

不動産投資の他に、他のビジネスを展開して利益を得ることで、さらに資産を作ることも可能です。自分の財布を複数持つことでFIREも目指せます。

 

節税・資産増加が両方できる

脱サラで不動産オーナーになると、節税しながら資産を増やすことができます。不動産所得は総合課税になるので、他の所得と損益通算が可能です。

さらに、不動産所得は家賃収入から経費を引いた額が所得額となります。計上された所得額を基に所得税と住民税の納付額が決まるので、経費が多ければ納税も少なくなります。

特に減価償却費が経費として認められている期間はかなりの節税効果があります。減価償却費が経費として算出されている間にしっかり利益を上げて行くことが可能です。

 

将来的にキャピタルゲインで大金を稼ぐこともできる

不動産は売買価格に変動があります。不動産価格が上がることで売却益で稼ぐこともできます。例えば、投資物件が購入時の価格よりも上がった場合、購入金額と売却に関する経費と納税額を合わせた金額より上回っている場合は、プラスの利益になります。

不動産価格は大きく変動することはありませんが、人気のエリアに投資物件があれば、価格が上昇します。特に、都心部にある新築マンションは価格の上昇が著しく、2022年には1990年頃の不動産バブル時の平均価格を超えました。今後も住宅地の不動産価格は高騰すると見込まれます。

売却益で稼ぐには将来的に人口が増えるエリアがおすすめです。投資物件探しは家賃収入だけでなく、売却益を狙えそうな場所にも着目しましょう。

 

不動産投資で脱サラすることのリスク・デメリット
不動産収入の暮らしは自由な時間も使えるなどの大きな期待もあります。しかし、家賃収入だけで生計を立てるのは、かなりの時間と手間が必要です。そして、社会的信用がなくなるので、脱サラすると不利になることもあります。ここでは、不動産投資で脱サラするデメリットを解説します。

 

金融機関の融資審査が落ちやすくなる

会社員や公務員は収入が安定していることで、融資の審査が通りやすい状態でした。しかし、脱サラの状態で融資を申し込むと融資の審査が落ちやすくなります。

金融機関は安定した収入があり、返済できる能力のある方に借入したいというのが本音です。脱サラして不動産収入が合っても、安定的な収入と言えないと判断し、審査の面で不利になります。

投資物件を増やしたい、クレジットカードを作りたいなど支払いが多い時期は会社員を退職しないで、落ち着いた時に脱サラする事をおすすめします。

 

社会的信用が下がる

脱サラすると、融資審査に落ちやすくなると同様に社会的信用も下がります。当然ですが、脱サラすると無職になるので、収入があっても社会人と見なされません。脱サラして、不動産収入の利益を上げ続けることが大切です。

収入が増えて、事業規模で不動産投資を行えば職業は経営者となり、社会的信用も上がります。法人格で不動産投資を行えば、融資の審査の条件も良くなります。今後、投資規模を拡大したい方は、法人格するのもが良いでしょう。

 

不動産・税金の知識が必要になる

当然ですが、不動産投資で利益を確保するためには不動産と不動産投資に関わる税金の知識を学ぶ必要があります。

不動産投資に必要な所得税や住民税の仕組みを覚えることは当然です。さらに投資物件に使った支出が経費に該当するのか、支出がどの会計項目に該当するのかなど会計の知識も必要です。会計の知識が理解できれば、税金の知識も身につきます。

そして、不動産投資に必要な法令や税制優遇の知識を覚えるのも重要不可欠です。特に贈与税相続税対策で不動産投資をされている場合は、期限付きの税制優遇があります。必ず、法令や税制優遇の知識を身に付けておきましょう。

投資規模が拡大すると、さらに不動産と税金の知識が専門的になります。そういう時こそ、税理士任せにしないで、ある程度の知識を得た上で投資の意志決定を行いましょう。

 

不動産管理に手間がかかる

投資物件の維持や管理はかなり手間がかかります。入居者が長く居住できるように、共用部の清掃や設備のメンテナンス、さらに外壁の修繕などを行う必要があります。

そして一番手間がかかるのが投資物件の会計です。物件の収支管理をこまめに行わないと、投資物件が赤字になるなど取り返しの付かない状態になります。

さらに管理会社に一任していない場合は入居者の対応も必須です。入居者の対応は時間に関係なく来ることがあるので、夜中や早朝に対応することもあります。入居者の対応をおろそかにすると、のちのちトラブル発生につながります。

不動産管理は投資物件を保有していれば、脱サラしても管理は必須です。自分で行える部分と、手間がかかりすぎるところは管理会社に一任するなど、予算を考えて自分で管理しましょう。

不動産資産を増やすには一定の時間が必要

不動産で資産を増やすにはかなりの時間が必要です。株式やFXのように大きな値上がりで短期間に資産を形成できる投資ではありません。特に家賃収入で資産を増やす場合は、資産が増えるまでに1年以上かかります。

物件購入をする際は頭金の支払いや諸経費、さらにローン返済があるので、不動産投資を始めた年の収入が低いこともあります。そして、いくら条件の良い物件でも入居者の事情で退去されることもあれば、家賃を滞納されることもあります。

 

不動産投資で脱サラするための成功のポイント


不動産投資で脱サラするためには、家族の理解や退職のタイミングを考える必要があります。そして、住宅ローンを返済している方は2つのローンを同時に返済しなければなりません。ここでは、脱サラを成功するためのポイントをまとめましたので解説します。

サラリーマンの給料と同水準稼げたから脱サラを始めるのは誤り

サラリーマンと同じ給与の収入で不動産オーナーのみに専念するのはおすすめできません。理由は下記の通りです。

 

収入の安定性が保障されていない
不動産投資は経費がかかる
投資物件が自然災害によるリスクもあり得る
不動産収入は給与と違い安定性のある収入ではありません。当たり前に毎月収入が入るような感覚で生活すると、万が一収入が入らなくなる時に生活防衛ができません。

そして、社会保障の面では、社会保険料の自己負担額が大きくなります。会社員時代の健康保険料は半分会社が折半していました。しかし、脱サラすると勤め先が支払ってくれた分も自分で支払います。国民健康保険もしくは社会保険の任意継続のどちらかを選ぶにしても、脱サラして1〜2年は高い保険料を支払う必要があります。

不動産投資で脱サラができる資産と収入目安は最低でも家賃年収で500万円以上と貯蓄額500万円以上が目安です。ビジネスパーソンの平均年収が2021年で443万です。生活資金と物件を回す費用を考えると500万円の家賃収入が必要となります。最低ラインで脱サラする場合は投資計画をしっかり行うことが大切です。

そして、年収1,000万円以上で物件を維持するための費用が貯蓄で確保できれば、余裕で脱サラできます。脱サラになっても困らないような資産運用をするには貯蓄が大事になります。会社員でいるうちは貯蓄する環境が整っています。脱サラを意識したら、貯蓄習慣をしっかりとつけましょう。

 

必ず家族の了承を得る

不動産投資で脱サラするなら、必ず家族の了承を得なければいけません。不動産投資は事業と同じで収入が安定している訳ではありません。

投資物件の空室が続いたり、急な修繕が必要になった場合は自己資金から手出しをしなければいけないので、資金が底をつく可能性があります。

そして、会社員のように安定的な収入が入る訳ではないので、心配する家族もいます。脱サラする時は必ず不動産投資への理解を得るようにしましょう。

家族のサポートがあればパートナーを事業専従者登録して、専従者給与として算出すれば経費として認められます。家族で協力しながら、物件回りの管理などのサポートがあれば、他のビジネスにも専念できますし家族との時間が増えます。

家族に応援されるような不動産投資はメリットがあります。脱サラする際は、家族の理解を得てから退職するようにしましょう。

Wローンでも返済が滞らないようにする

Wローンとは住宅ローンと不動産投資ローンの2つを支払っている状態を指します。会社員でいる間は住宅ローンがあっても、不動産投資ローンを使って投資物件を購入することができました。しかし、脱サラすると給料がなくなるので、両方のローンを支払うためのお金が必要です。

何度も記述していますが、不動産収入は安定的な収入ではありません。2つのローンが支払える状態にしないと住宅も不動産投資もできなくなります。特に住宅ローンが支払えなくなると持ち家を手放すことになるので絶対に避けたいです。

Wローンによる最悪の事態を避けるには、下記のような事が重要です。

会社員時代に余裕のある自己資金と生活資金を確保する
会社員退職前と脱サラ後の資金シミュレーションを行う
収益性の高い物件選びを行う
空室を生まない不動産経営をする
他の借入を返済している間は不動産の利益が出ていても返済に注力する必要があります。そして、Wローンを抱えても生活基盤と投資に回す経費がしっかり確保できた状態で脱サラすることをおすすめします。

まとめ


不動産投資で脱サラする道は実現性がありますが、リスクもあります。会社員であることで給与と家賃収入を得ること、不動産投資ローンの審査が通過しやすいなど恩恵も受ける事ができます。

しかし、脱サラすると社会的信用や借入が厳しくなるなどリスクもあります。そして、不動産収入が入り続ける仕組みを作らないと生活も厳しくなります。そして、不動産投資は長期投資です。すぐに収益化することは難しいですが、地道な物件管理や資金計画が不動産投資を成功させる鍵となります。

脱サラ後は生活基盤をしっかり整えることと家族の理解を得ることが大事です。家族に支えられる不動産経営を目指して、時間に縛られないライフスタイルを手に入れましょう。